ソロゲーの部屋

遊んだゲームのブログ

『モノクロームメビウス 刻ノ代贖』クリアレビュー(ネタバレ無し)

散りゆく者へ子守唄 45時間

偽りの仮面 135時間

二人の白皇 170時間

うたわれ三部作のプレイ時間を調べたら、特に二人の白皇は自分でもちょっと引くぐらいプレイしていて、こんなにやってたんだと驚きましたね。大号泣した日を今でも鮮明に覚えてます。そんなアクアプラスによる完全新作『モノクロームメビウス 刻ノ代贖』をクリア&プラチナトロフィーを獲得しました。

 

RPGとして十分なボリューム

ボイスをスキップせずしっかり聞き、依頼も全てこなして約50時間でした。依頼をスルーしてメインだけ追ってく進め方でも40時間はかかると思う。広すぎるフィールドマップを移動してる時間以外は濃密で新作RPGとしての満足度もかなり高かった。

 

安定したシナリオ

アクアプラスが最も得意とするシナリオはやはり今作にも健在。二人の白皇が最高傑作だっただけに、オシュトルの過去を描く物語で果たしてどういった展開を用意してるのか?と最初は正直懐疑的でした。

しかしいざプレイするとそんなことは杞憂に終わり、うたわれシリーズをプレイ済みであれば顔なじみなキャタクター達の新たな一面が見れますし、オシュトル含めた4人の仲間それぞれにスポットを当てたエピソードが濃く描かれていてキャラの深堀りにも大成功している。3Dイベントシーンも演出に力が入っていて気付けば物語への没入感がより一層高まっていましたね。ほんとに一つ一つの話の作り方がうまい。

特に今作の鍵を握る少女シューニャの存在はとても大きく、彼女にまつわる謎にはずっと惹きこまれていて一体何者なんだろうか?とメインシナリオには終始夢中になっていました。

 

初見でも楽しめる内容か?

個人的にですが今作を始めるにあたり、最低でも偽りの仮面とニ人の白皇はプレイ推奨かなと思います。余裕があれば散りゆく者への子守唄もという感じ。

繰り返しになりますが、今作にはシリーズ顔なじみのキャラクターが多数登場します。それだけでもテンションがブチ上がりでしたし、うたわれ世界の真相を知っているからこそ楽しめる要素が随所に散りばめられています。知識があるないのとでは面白さは段違いであるとハッキリ言える。

興味があれば全編がAVGで無料のスマホ版が一番オススメ。

 

グラフィックはイマイチ

シリーズファンとしては、定番であったAVGSLGという形からRPGへジャンルがガラッと変わり、3Dで広大に表現されたヤマトの世界でリアル頭身のキャラクターが自由に動き回れるだけでも新鮮だったし素直に感動しました。

がしかし、全体的にグラフィックがチープすぎたことと、どこへ行っても棒立ちでのっぺらぼうの手抜きモブが目立ち、統一感のなさが強調されていたのがとても残念。

現在はアップデートで解消されていますが、アクアプラス下川直哉氏はインタビューでこれまで手掛けた作品で一番開発費をかけたとおっしゃっており、だからこそ細部にまで手を加えてほしかった。

 

戦闘

基本的にはオーソドックスなターン制コマンドバトルですが、左上に見える連環と呼ばれる三重の輪を用いた戦闘が特徴的。これは簡単に言えば、キャラクターの行動順を表しています。時計回りに進み、指定の場所に来ると行動可といった感じ。

また環の内側に移動することによって一周の間隔が短くなるので行動回数が増えるようになる。例えば戦闘中にたまる気力ゲージを開放したり、よろめき状態の敵を殴ったり、こんな感じで環の内側へ移動し有利な戦況を作っていくのが中々面白かった。

個人的にはコマンドバトルは好きですし、考えられたシステムだなと思ったのですが、欲を言えば何百回と繰り返すコマンドバトルだからこそ高速モードが欲しくなりました。

奥義使用時のシリーズお馴染みカットイン演出は痺れるぐらいかっこいいですよ!これは絶対言っておきたかった。

 

うたわれるもの』作品の新しい形

一ファンとして三部作のような重厚なストーリーを3Dの世界で楽しめたらなあ、と心のどこかでずっと思っていました。正直なところ不満点も結構あって粗削りな部分が目立った印象でしたが、個人的にはそんな願いが叶った、大袈裟にいえば夢のような作品でもありました。最初で最後ではなく、今作がこれからの『うたわれるもの』作品のスタンダードになってくれることを大いに期待したい。